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クローズアップ インタビュー Part 3:ルーカスフィルム公認アーティスト 三田恒夫氏

トピックス

スター・ウォーズ サーガ 完結編となる「エピソード3/シスの復讐」が公開された2005年、メインストリームを盛り上げた影の立役者にスポットをあてるインタビュー・シリーズ。

第3回目はルーカスフィルム公認アーティストの三田恒夫氏にお話をお伺いしました。

―― スター・ウォーズを描くようになられたきっかけをお聞かせください。

三田:
私が独自の絵を意識しはじめた時期に、ニューヨークのOMNI Magazine から、私唯一のオリジナルイラストが掲載されていた年鑑イラストレーションをご覧下さり、カバーとして使いたいとの連絡がありました。私自身がとても気に入っていた作品でしたので、天にも昇る思いでした。今でも、作品が使用された雑誌が送られてきた時に大変感動したのを憶えています。 その1年後にニューヨークのOMNI Magazineへの訪問のため渡米し、編集長やディレクターとお会いした際に、「今後も描いてくれるように」と嬉しいお言葉を頂戴しました。

当時、日本国内ではなかなかオファーのない状況でしたが、アメリカという国は(受け入れる間口が)広いのだなと改めて感じました。私自身はアメリカで仕事をすることの意識よりも、自分の作品を描けるチャンスの多さを感じました。ただ、先のことはよくわからない不安もありましたが、アメリカで仕事をしていく覚悟を決めて訪問したことが、良いきっかけになったと思います。

2度目の訪問時に編集長が、アメリカで仕事をしていく上では代理人を立てないとなかなか難しいことも教えられ、代理人を紹介して頂きました。その代理人がたまたま映画関係に関わっていたので、スター・トレックの仕事を持ちかけてくださり契約して ポスターやブックカバーなどを手掛けました。その後にスター・ウォーズを描いてみないかとお話があり、私自身も映画が大好きで観ていましたので喜んで引き受けたのがきっかけになりました。

―― 苦労された点はありますか。

三田:
この仕事を始めて最初はプレッシャーもありました。スター・ウォーズの映画は好きだったのですが、キャラクターの細かい所など以外と知らないことが多く、資料も少ない状況で描いておりましたので、ルーカスフィルムのチェックを受けると細かな修正や注文が多かったです。とても細かい部分まで監修が入りますので、正直このまま仕事が続けられるのかと考えた時期もありました。最近は関連資料も豊富になってきましたのでキャラクターの全体的な造型やイメージなどが掴めるようになりました。

―― 最初に描かれた作品は何でしょうか。

三田:
このミレニアム・ファルコンの絵が最初ですね。

―― 何年前になるのでしょうか。

三田:
かれこれもう11年くらい前になりますね。この絵が私のスター・ウォーズ第一作で、現在の事務所を構えた当初に描きました。私自身にとってはとても印象深い作品です。これを描いた後に、ポスターやポストカードのオファーを頂きました。その後、スター・ウォーズ20周年記念のポスターを描いた際にルーカスフィルムから大変評価を得てとても褒めて頂きました。ただ、年間5作品程度しか描くチャンスがなくて、自分の作品がどこまで通用するのかを試してみたい気持ちと、もっと評価して頂く機会を作りたいという想いもあり、代理人を通してオリジナル作品を描く許可をルーカスフィルムから取りました。それからは自分のペースでどんどん描くことが出来るようになりました。

―― 画材は何を使われているのですか。

三田:
下書きはペンシルで、アクリル絵具で筆やエアブラシを使い描いています。

―― 作品ひとつにどのくらいの期間で仕上げられるのでしょうか。

三田:
私は描くのが結構早いので平均1ヶ月掛かりません。常に作品を描いている間に次の作品の構想が浮かんできますので、終わったらすぐに次の作品に取りかかっています。ですので、ここ最近は1年で15作程度のペースで進めています。

―― 先日のメモリアルショット・シリーズ 6部作も半年で描かれていましたよね。単純に1ヶ月1枚で緻密な絵を描かれていてペースが凄く速いなと感じていました。

三田:
自分の中で全体的なイメージは出来上がっていて、資料を揃えながら頭の中のイメージを具体化しながら下書きを始めてしまえば早いです。

―― 心掛けていることはありますか。

三田:
ファン心理で描いている部分もあります。自分が欲しいと思えたり、スター・ウォーズファンの皆さんが部屋に飾ってくれたら良いなと思えるイメージを念頭に置いて描いています。また、下書きを描く際にもバランスを大事にしています。色もそうですし、全体的な調和を常に大切にしています。それからいつの時代でも通用するように、古さを感じさせない完成度の高い作品を目差しています。そのために、描き急がず可能な限りの時間をかけて描くことを心掛けています。

―― エピソード3をご覧になって描かれた作品は。

三田:
以前からパルパティーンを活かした作品を描いてみたい想いはありまして、エピソード3が公開されて映画を観まして俳優さんも存在感が凄くありましたし、とても良いなと想い描いてみました。

―― 好きなキャラクターはいますか。

三田:
皆平均的に好きなのです。どのキャラクターも同レベルの可愛さや面白さを感じていますので、特にどのキャラクターがというのはありません。

―― 描くのに苦手なキャラクターはいますか。

三田:
資料が不足しているものに限ってのみですね。例えば人物にしても色々な角度からの資料がありますと、少し角度を変えても描けます。しかし、私が描くキャラクターを理解していないと思い通りには作品が完成しません。ほとんど苦手意識はありませんので、資料さえ揃えば何でも描くことは出来ます。

―― セレブレーション III記念ポスターはこれまでにない印象でした。

三田:
アイデア段階ではもっと沢山のキャラクターを描く考えでいました。これまで画面いっぱいに描かれた作品はなかったので、仕上がりを楽しみにしながら描いていました。全体のイメージとして夕暮れのイメージで西日を浴びた印象で描いています。リトグラフの版元さんと相談しながら試し擦りした際に、初校はもう少しピンク色がかった色調だったのですが、私の考えていたイメージ通りのセピアトーンに調整致しました。この作品はジョージ・ルーカス氏に大変気にいって頂き、この原画を購入して下さいました。うれしかったです!

―― 今後の構想は何かありますでしょうか。

三田:
常に新しいイメージを心掛けてチャレンジしていきたいですね。例えば映画のあのシーンの続きはこうなるだろうと想像を膨らませるような作品も描いてみたいと考えていますが、基本的にはスター・ウォーズ アートの新しい方向性を確立させたいと夢見ています。そして、今後も皆さんに喜んで頂けるような作品を生み出していきたいと思っています。

―― 今後も素晴らしい作品を楽しみにしています。
本日はお忙しいところどうもありがとうございました。

インタビュー収録:2006年5月27日

聞きて
・ジャパン スター・ウォーズ ドットコム
・The 501st Legion, Japanese Garrison

三田恒夫氏 プロフィール

  • 大阪生まれ、日本国籍。
  • 1976年:プロダクション退社後フリーになる。
  • 1993年:Creative House Sanda Ltd. 設立。
  • 1988年:5年にわたりNew York「OMNI Magazine/ 雑誌カバー、特集ページにアートが掲載される。
  • 1993年:Paramount Picture「STAR TREK」ポスターアート制作/「30th Anniversary」「ParamountParks エクスペリエンス」オープニングポスターアート制作 etc.
  • 1995年:Lucasfilm「STAR WARS」ポスターアート制作を始める/「20th Anniversary」、「X’mas card」、「EPISORD 1」、「STAR WARS Tales」カバーアート制作 etc.
  • 1996年:ギャラリーサイト「PLANETSANDA.COM」オープン。
  • 2002年:「EPISODE II Bookcover series」制作(Dark Horse Comics)。
  • 2003年:Lucasfilmへの作品提供することを承認される。「PLANETSANDA.COM」クローズ。
  • 2004年:新たにギャラリーサイト「SANDAWORLD.COM」オープン。San Diego”Comic-con International”へ初参加。
  • 2005年:「EPISODE III Book cover」制作。Indianapolis” STAR WARS Celebration III”へ招待作家として初参加。新作「CONGRATULATIONS!」を発表し、Celebration III において初のリトグラフ制作販売をする。501st Garrison の名誉隊員に推挙される。
  • 2006年:「STAR WARS Memorial Shot Series」の6作品シリーズを完成。「30th Anniversary/ The Legend of STAR WARS」制作。現在に至る。

©&™Lucasfilm Ltd.

トピックス記事作成協力

Tsuneo Sanda
SANDAWORLD.COM
The 501st Legion, Japanese Garrison

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