サンドトルーパーをカスタム塗装でリアルに仕上げよう
造型の出来栄の良さでファンが多いマーミットのサンドトルーパー。今回は更にカスタム塗装を施して、よりリアルでカッコよく仕上げる情報をZEPさんより頂きましたので御紹介致します。どうもありがとうございました。
Written by ZEP
下記解説はあくまでもZEP流の作業行程を、模型経験のない素人の方でも簡単に作業が進めれる様に書いたものです。Sirtanさんの御好意により、この場をお借りできた事を感謝致します。
汚し塗装を落とす準備
まず、フィギュアの汚し塗装を落とす溶剤として何を使うかです。通常ウェザリング(汚し塗装)と言えばタミヤなどのエナメル系ですがこれの溶剤では全く落ちません。
次に定番のグンゼ(Mr.Color)などのアクリル系ですが、これも強くゴシゴシ擦ればほんの少しずつ落ちる程度で、一体何時間かかるのか不安になります(苦笑)そこで、ガレージキットなどのソフビ材料専用塗料ブイカラーの溶剤を使用します。これは模型専門店に行っても扱っていない場合がありますのでガレージキットも扱っている店に行くのが良いかと思います。
次に、拭き取る為に溶剤を布かティッシュに染み込ませるわけですが、それよりも女性がよく使用する化粧用コットンがお薦めです。溶剤の吸収性が良く、又、具合良く排出してくれますので、経済的に溶剤を使用できると思います。繊維も表面に残しません。
汚し塗装を落とす際の注意点
ではいよいよ開始です。ここでの注意点は落とさなくてもよい部分(汚し以外)に絶対に触れないようにする事です。
この溶剤ではそれこそ一発で塗料が落ちますから、気を付けて下さい。胸アーマーの背中部分は最終的にバックパックで見えなくなりますから、最初にここで試し、感じを掴むと良いと思います。
もう一つ注意点として、お湯に中性洗剤を混ぜた物を用意しておきます。溶剤で拭き取った後すぐにパーツをこのお湯で濯ぎ、綺麗に洗い流して下さい。これは素早くシンナーを落とすのと、シンナーで拭いたとはいえ、成形時につくパーツ表面の油分が部分的に残っている為です。これを洗い落とすことにより、後の塗料のノリも非常に良くなります。この中性洗剤での洗いは、全てのアーマーパーツに行うのが良いです。
カスタム汚し塗装の準備
全てのパーツの汚し落としが終わったら、素体に肩パッドやバックパック以外のパーツ、ようはストームトルーパー状態になる用に組んで下さい。
組む前にパーツを汚した方が良いのでは?と思うかもしれませんが、汚しは全体のバランスが肝心だと思いますので、私は先に組んだ方が良いと思います。
塗料はタミヤのエナメル系を使用します。理由はエナメル系溶剤では、最初から塗装されている塗料は落ちませんから、もしも汚しを失敗してもエナメル系溶剤で必要な塗装部を侵さず簡単に拭きとる事ができるからです。ですから拭き取り用にエナメル系溶剤も用意して下さい。
色は個人の好みだと思いますが、劇中のプロップなどを見るとどうも黒っぽい汚しに見えますね。私はステージが砂漠という事もありデザートイエローを使用しました。汚しを筆を使ってドライブラシでやるのかエアブラシを使うのかですがプロップはハケで、しかも大胆に大袈裟に汚されていたとの事。ドライブラシでも感じ良く出来ますから筆で行なってみました。塗料皿も用意します。
汚し塗装(下地)に挑戦
さぁ心の準備はよろしいですか?(笑)汚しに入りま〜す。それではまず、全身を薄らと汚します。塗料皿に少量のカラーをいれ、溶剤(もちろんエナメル系)でかなりの割合で薄めます。そしておもむろに平筆でボディーに塗っていきます。
その後、コットンなどで拭き取っていきます。この拭き取り加減で下地の汚しを好みで調整します。必要があれば、エナメル溶剤を染み込ませて軽く拭き取っていきます。全身が白ではなく、うす〜い黄色になりましたでしょうか?(^_^)
本格的な汚し塗装へ
紙を用意して下さい。平筆にカラーを付け、そして紙に筆先をバサバサと擦り付け、紙上でカラーがカスれるまでやって余分な塗料を落としてから汚したい箇所にザッザッという感じで汚していきます。
ここでのポイントは、何故この部分(つま先、膝など)に汚しが必要なのかを考えながら汚していく事です。バックグランドを考えながらの作業は楽しいものです。
自分が砂漠などで行動したら、ここが汚れるだろうなぁと想像しながら汚していきます。時にはロントやバンサの糞を踏むかもしれません(笑)闇雲にやっていくと前の状態になってしまいます(笑)
全体のバランスにも注意し上半身よりも下半身に汚しのウエイトをおいていく方が良いかもしれません。失敗したらエナメル溶剤で拭き取れば良いですから納得いくまで行いましょう!
ただ擦り付けていくのも芸が無いので、今度は筆の先のみを利用して点々と触るように汚していくのも良いです。ポイント的にやってみて下さい。最終的な汚し完成よりも手前で、残りのパーツ(肩パッドやバックパックなど)を全て組みこんで下さい。これらのパーツもボディーに組む前にある程度汚しておきます。(特に組んだ後では汚せなくなる所)
全体のバランスを見ながら仕上げる
全てのパーツを組込んで完全武装状態になりましたら、全体のバランスを見ながら仕上げて下さい。ブラスターは常にメンテしているだろうからあまり汚さない方がリアルかも(笑)
ドライブラシでは物足りなければ、パステルをヤスリなどで粉状にしてそれを擦り付けていくのもテですね。粉っぽい感じを出せます。気に入らなければティッシュで拭き取れば良いだけです。
上記のドライブラシよりもパステルのみで仕上げたい場合は、パステルを溶剤か中性洗剤入りの水で溶き、これを擦り付けていきます。その後、好みの状態になる様に拭き取ればよいのです。溶剤などで溶いたぶん、表面にある程度定着すると思います。
尚、本来ならば再汚し塗装にもソフビ専用塗料であるブイカラーを使用するべきですが、私は上記理由によりエナメル塗料を使用しました。ソフビ専用塗料以外を使用すると、乾燥後もペタペタとした感触が残る場合があります。ですから試し塗りをしてみて、最終的には個人で判断して下さい。塗装に自信の無い方はパステルのみによる処理をお薦めします。
又、記事内容を使用した事によって、何らかの損害が生じましても一切の責任をとりません。個人の責任の元でお楽しみ下さい。